「溝ができていませんか?」
産後クライシスを乗り切るための、夫婦のパートナーシップ
赤ちゃんのお世話をしていて、パートナーとの関係でストレスを感じたことはありませんか?
夫婦ふたりだけの頃と違って赤ちゃんが中心の生活になると、自分だけの力ではどうしようもないことが増えてきますよね。
夫婦で協力しながら子育てしようと思っていても、お互いに忙しく疲れているとすれ違いが起きやすくなるものです。ストレスを感じることが増えると、ついつい相手に対してイライラしてしまいがち。
家事や育児の分担で揉めたり、パパへの小言が増えてギクシャクしてしまったり、「私ばっかりやっている」と感じてピリピリしてしまうこともあるのではないでしょうか。
でも、そんなときこそお互いの気持ちを理解する努力をすることが大切です。
このコラムでは、夫婦関係が悪化しないためのコミュニケーションのコツや、温度差の埋め方について解説していきます。
大変な時期を一緒に乗り越えるためのヒントになれば嬉しいです。
>育児に疲れた悩みを相談できるカウンセラーはこちら「産後クライシス」という言葉をご存じですか?
「産後クライシス」とは赤ちゃんが産まれてから数年の間に、夫婦の仲が急激に悪くなったり、愛情が冷めたように感じる現象のことを言います。
クライシスとは「危機」という意味で、夫婦のすれ違いなどにより生じるトラブルを指します。時期はさまざまですが、一般的には0歳〜2歳の間に起こることが多いようです。
この現象は、テレビ番組やSNSで育児や家族の問題を取り上げる際に注目され、広く知られるようになりました。
産後は育児や家事の負担が増え、特に疲れやストレスを感じやすくなります。これにより、夫婦間のコミュニケーションがうまくいかなくなり、お互いに不満や誤解が生まれることがあります。
些細なことだからと放置すると、関係が悪化して離婚してしまう可能性もあるので、
現在の状況をチェックして、産後クライシスであるという認識を持つことが大切です。
こんなことがあったら産後クライシスかも
以下のような状況であれば、産後クライシスかもしれません。
いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。
- ささいなことでイライラするようになった
- 夫に対して愛情が感じられない、関心がなくなった
- すぐに怒ってしまい、感情のコントロールができない
- 急に泣き出してしまうことがある
- スキンシップに嫌悪感がある
- 夫婦の会話や一緒にいる時間が減った
- 相手からの愛情を感じられず冷たく感じる
では、どんなことが産後クライシスの原因になってしまうのでしょうか。
産後クライシスの原因は?
原因1.ホルモンバランスの変化
産後クライシスの背景には、ホルモンバランスの変化が大きく関わっています。
出産すると、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンバランスが急激に変動し、それによって気分が不安定になったり、イライラしやすくなったりといった感情の不安定さを引き起こすことがあります。
原因2.夫婦の温度差
同じ”親になる”のでも男女では違いがあります。ママは妊娠から出産の間に、少しずつ赤ちゃんを迎える準備を整えていきますよね。そして出産を機に家事と育児に追われる毎日がスタートします。
一方で、パパは妊娠期間があるわけではありません。生活スタイルはほとんど変わらず、出産前のままの生活をつづけるケースが多いです。
すぐに適応できないのは仕方ない部分もありますが、父親として自覚がもてないまま赤ちゃんとの暮らしが進んでいくことになります。
この夫婦の温度差が、ママからすると「同じ感覚ではない」と感じる原因になってしまうのです。結果パパが非協力的に見えたり、責任感が薄いと感じたりしてしまいます。
原因3.家事育児の負担が偏っていること
本来ならパパとママが協力して家事育児を行うことが理想ですよね。しかし「仕事が忙しい」「疲れている」などの理由で分担してもらえないこともあります。
日中お家にいて、赤ちゃんと一緒の時間が多いママの役割は、どうしても大きくなりがちです。
ママが一人で家事や育児を担うことで負担が増えますし、ゆっくり休む時間もとりにくいため、ストレスを解消できずに心身ともに疲弊してしまいます。
原因4.夫婦のコミュニケーションが不足している
出産後の生活は大きく変わり、夫婦の役割や責任が増えます。お互いの理解や協力が重要になるなか、夫婦で十分に話し合う時間を持つのは難しく、後回しにしがちです。
意見の食い違いや不満が生じているにも関わらずコミュニケーションが不足すると、ママは自分の気持ちをパパに伝えられず孤独感や不安感を抱え込みやすくなり、パパはママのストレスや疲労に気づかないといったことになります。
「うちは大丈夫だから」と放っておくと関係がさらに悪化して、場合によっては離婚に至る可能性もあります。
これらの要因が積み重なることで、夫婦間に誤解が生まれ産後クライシスが引き起こされてしまうのです。
では、どうやって産後クライシスを乗り越えたらよいのでしょうか?
次からは対処法を紹介します。
NOALONでは、臨床心理士などのカウンセラーに オンライン で悩みを相談することができます。
産後クライシスの対処法
夫婦で話し合う時間を作る
産後の変化にうまく対応するためには、お互いの気持ちや考えを共有し、理解し合うことが必要です。
イライラをぶつけるだけ、黙って見ているだけでは気持ちは伝わらないので、自分の気持ちや困っていることを具体的に伝えましょう。
感情的にならず冷静に客観的に伝えるのがポイントです。事前に紙に書き出してまとめておくと良いですよ。まとまった時間が取れないこともあるかもしれませんが、普段から少しでも良いので話す時間を作ることを意識しましょう。
役割分担を見直す
出産前の分担のままだと負担が大きくなるばかりか、四六時中赤ちゃんのお世話をしていて何もできなかった、なんてことがよくあります。
思い通りに進まないと焦りや苛立ちを感じますよね。さらに休息の時間も取れないので疲れやイライラが蓄積していき悪循環に陥ってしまいます。
ツライな、大変だなと感じることがあれば、パートナーに伝えて分担を見直しましょう。
気まずくなるのは嫌だな、こんなことを言って喧嘩にならないかなと不安もあるかもしれません。
しかし、赤ちゃんとの生活はこれからも続いていきます。些細なことでも共有して、都度見直していくことが大切です。
第三者に相談する
それでも、パパの協力を得られなかったり、夫婦だけでは対処しきれないこともありますよね。
そんなときは第三者に相談してみましょう。
パートナー関係の悩みやグチを吐き出すだけで、心が楽になることもあります。
身近に相談できる人がいない場合は、カウンセリングサービスを利用してみるといいですよ。
NOALONには国家資格を保有した専門家が多数在籍していて、
心理分野・看護分野・福祉分野・保育分野など様々な悩み相談に対応しています。
「自分で抱え込まなくていいんだ」「気持ちを理解してもらえた」と余裕を持てるようになると、パパに対しても感情的になりにくくなるはずです。
>育児に疲れた悩みを相談できるカウンセラーはこちらまとめ
産後クライシスは、赤ちゃんが生まれた夫婦であれば誰にでも起こり得る問題です。
仲の良い夫婦であっても、時間に追われる毎日のなかですれ違ってしまうのは仕方がないのですが、対処法を知っていると知らないでは大違いです。
パートナーシップの秘訣は、「向き合うこと」
意識的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。
深刻な状況になってしまう前に危機に向き合って、より関係を深めるチャンスにしてほしいと思います。